htnkmst2001-09-02

「9月2日、雨は降らない」そう誰もが願っていたように、見事に晴れた。前夜は郊外にある静かな環境のホテルで十分な休息をとっていたので、全員のモチベーションも上がっていた。当日リハも順調に終わり、4時半から開場。まずい、腹が痛い。貧乏ゆすりが止まらない。全く本番前はいつもこれだ。まだ自分の出番までは2時間はあるというのに、舞台裏の空気に我慢できない。あとで聞いたら、ハンブルグバレエ団のイリも本番前は腹痛になるらしい。本番直前に舞台裏で2人で抱き合って励まし合っている時には、僕とイリの腹痛はピークに達していた。そして第2部最終幕本番。まずは僕がひとりでサブステージに乗り込む。こんな時のコンピュータ起動ほど、時間が長く感じられるものはない。おせじにも満員とは言えない会場で、世界でも稀な総合パフォーマンスがブルガリアン・コーラスと共にはじまった。バレエ、音楽、映像、照明、音響、舞台、異ジャンルの人たちがひとつの空間を作り上げていく。演奏も少しずつボルテージがあがっていく。僕のノイズにエルブトナールの打楽器が反応していく。そして、「ボレロ」部分では演奏者全員が参加した。だが、正直ステージ終了後の会場の反応が心配だった。だがそんな不安はすぐに吹き飛ぶ。ステージ終了後、拍手が鳴り止まない。客席を見るとほとんど全員が立ち上がっている。終わった直後のことはほとんど記憶にない。気が付いた時には舞台裏でみんなと抱き合っていた。予想をはるかに上回る大成功で、今までの苦労が帳消しとなった。まだまだペーペーで、ノイズミュージックをやっているような僕の指揮で、ヤーノシューさんやアマンさんたちが演奏してくれるわけがない。だってそうだよ、ピアノも弦も本当にすごい人たちばっかりなんだから。正直本番がはじまるまでそう思っていた。だが、少なくともラストの5分は全員がある共通意識の中で演奏していたような気がした。言葉では現せないが、僕の中では確かにそうだった。あっと言う間に本番が終わってしまったが、いま振り返ると事の重大さに気が付く。これは北海道にいながらも、とんでもない経験だ。このプロジェクトに参加するにあたって、絶大なるバックアップをしてくれた端さんとみきさんに、本当に感謝します。そしてCAIをはじめ影で支えていただいたスタッフの皆さん全員に、この場をかりてお礼を申し上げます。そして、制作段階からいっしょにコラボレートしてくれたイリにフィーレンダンケ!そしてハンブルグバレエ団ダンサーの皆さん、クネス、サポートダンサーの皆さん、最高にかっこよかったです。そしてエルベトナールとヘルガ、また来年やろうね!谷本さん、マテーさん、アマンさん、大西さん、竹内さん、御一緒できて本当に光栄でした。能力不足で御迷惑をおかけしました。エバ・ソング・カルテットの皆さん、最初はなかなかうまくコミュニケーションできなかったけど、最後には仲良くなれて本当に良かった。打ち上げで聞かせてくれた綺麗なコーラスとハイテンション・ダンスは一生忘れません!そして家の嫁さん。風邪をおして本当に頑張ってくれました。裏で走り回る決死のサポートは最高でした。本当にありがとう!いきなり会場に現れた父さん母さん、わざわざありがとうね。いつも心配かけてごめんなさい。そして最後に、このショーを見に来ていただいた皆さん、本当にありがとうございました。これからも精進して良いパフォーマンスをお見せできるよう、努力していきます。ありがとうございました!!!
畑中正人
http://www.hatanakamasato.net/