そういやこんな事は書いていなかったけど、近年のドイツは日本以上に景気が悪い。日本じゃリストラだ就職難だというけれど、選ばなければ職がまぁまぁある。しかし、ここドイツは本当にない。しかもトルコ人をはじめとした外国人労働者が大量に流れているため、景気低迷に歯止めがかからない。この経済成長のままじゃあユーロ圏加盟条件スレスレで立場が危うくなる。物価も日本と比べて以前のような大差はなく、来年になると逆に日本より高くなる可能性まで出はじめている。はじめてドイツに来た当時(98年)はなんて物価が安くて暮らしやすいんだろうと思っていたのに。環境問題に関しては日本人が持っているイメージよりは意外と意識が低い。ゴミのリサイクルが盛んだったのも数年前までの話しで、市民レベルでは仕分けすらしない風潮すらある(もちろん、している人はいますよ)。これは業者がきちんとやっていたと思っていたところ、実は全くリサイクルしていなかったという事実が発覚したためだ。首都の様子はというと、現在ベルリンはパワーダウンの一途を辿っているように感じた。確かにベルリンは東京、ロンドン、パリ、ニューヨークなどと並んで重要な文化都市ではあるし、そこらじゅう建設中で新しい巨大建造物が立ち始め、見た目には発展しているように映る。しかし日本企業は次々とベルリンからの撤退をはじめている。文化面の刺激というところでは、音楽やアートのシーンはお決まりになりつつある。音楽のマーケットの傾向も他の国と同じで平均化の一途。まぁ、どこに行っても同じようなクラブがごろごろあるのは何処もそうだけど。これは俺の個人的な主観なので、現場に行けば行ったでかなり面白い連中に出会えるのも確か。しかし現実として面白いアーティストはどんどんベルリンから離れている。 ある記事によれば壁があった時代の方がよっぽど刺激的だったという話しまである。音楽は以前にも書いたように完全にUSかぶれ。ヒップホップが全盛で、老舗と言われたテクノですらかつての輝きはなく、その多くがゴミのようなリミックスばかり。 アングラはすでにアングラではなく、ただのファッションなのか。アングラが面白い、なんてのはここでも迷信に過ぎなくなったのかもしれない。まぁ、問題を抱えていない国なんてひとつもないし、アメリカなんてどさくさに紛れて戦争おっぱじめようとしているし。嫌いです。おっと話しがそれたけど、俺がここにウダウダと書いたところで状況は変わらない。こんな状況でも俺は音楽で何か結果を残さなきゃ。結局音楽家なんて無力です。音楽やってりゃそれでいい。
畑中正人
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