作業の合間をぬって久々のハンブルグバレエ観戦。今回は以前から見たかった「Matthew Passion」。音楽はJ. S. Bach。曲目は「マタイ受難曲」を全編に使用していて、公演時間は約4時間にも及ぶというもの。それに芸術監督・振付家ジョン・ノイマイヤー氏自らも踊るという事もあって絶対に見たいと思っていた。
ノイマイヤー氏はジーザスとしてほぼ全編に渡って出演。ダンサーはおそらく40名はいて、舞台美術はいたってシンプル。数個ある黒の長イスが時には牢屋に時には十字架に組み換えられながらマタイの世界観が繰り広げられていく。いつも思うんだけど、あれだけの人数の振付けを監修し、あれだけの長さの公演を構成しているノイマイヤー氏の才能とそれらを体現していくダンサーの能力と魂にはいつも恐れ入る。音楽自体、宗教の要素が全面に出ているので、日本人の僕としては入り込めない部分もあったにせよ(ヨーロッパの人たちはどう感じたんだろう)、ノイマイヤー氏の圧倒的な存在感とダンサーたちの洗練された動きはそれを遥かに超越していた。個人的にはピーターが良かったなぁ。いつもはやんちゃな彼だけど、年々凄くなっている。 とにかく、見て良かった。あんなにカーテンコールが何度もあったのは初めてというくらい、終演後の会場は大盛り上がり。かなり重たい内容だったけど、ノイマイヤー氏とダンサー達の満面の笑みを見て救われました。それにしても生ジョン・ノイマイヤー氏の踊りは凄すぎでした。一生の思い出です。
畑中正人
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