弦楽も終わりとっととスコアを発送したら、スッキリしました。でも、すぐに別な曲の作業に入らなくてはいけない・・・。いま12人程度の室内楽とエレクトロニクス中心の楽曲という全く違うベクトルを持つ2作品の構想を練っているんだけど、最近何故か小学生の頃にやった器楽の思い出が頭を巡っています。確か5年生の時だと思ったんだけど、曲は「マイアミ・ビーチ・ルンバ」と「ルビーの首飾り」(であってるっけ?、あの手品の時に流れるやつね)。学芸会の時に両親がこっそり録音していていた事もあって、今でもはっきり覚えている。アレンジもかなり凝っていた。当時担任だった米山先生がきっと編曲したんだろうけど、子供にしてはマセたオブリガードが鉄琴で入ったり、パーカッションのグループがかなり熱いリズムだったり、当時父兄の皆さんや先生たちが絶賛していたのも頷けるというアンサンブルでした(笑)。当時俺は音楽の事は全然わからなかったし、譜面の読み方も母親に習って何とか読解してかなり苦労したんだけど、リコーダーや鍵盤ハーモニカの演奏が楽しくて、何よりアンサンブルが楽しかった。いま思えば熱心に教えてくれた米山先生
の影響で、自分の中の「音楽」という核が形成されたのかもしれない。最近忘れていた音を出す(もしくは声を出す)って事そのものへの興味、これが自分の中の音楽の原点だろうと思いますね、やっぱり。よく幼稚園に行っていたころ(たぶん)、父親が自作したガットギターを訳もわからず弾いていた。弾い
ていたというより、ただ低音弦を「ボーン、・・・ボーン」と音を出してその余韻を聞いて、その音が消えるか消えないかくらいにまた「ボーン」とやっていた事を考えると、今もその演奏の基本姿勢は変わってないなーと思ってしまう。今回の一見方向性の違う2つの作品では、これらの原体験とその感触を音に出そうと思っております(形態が違っても作る根っこでは同じだし)。さぁ、その為にはまず湖への散歩からはじめなきゃ!(作業しろ)
畑中正人
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