イリがようやく長い怪我から復帰。以前チケットを取っておいた公演が偶然イリのステージ復活日。何か得した気分です。今回は2階席の前方から観戦で、客席に座ったら丁度セットの間からダンサーの姿が見えていた。こっちを向いてずいぶん手を振っている人がいると思ったら、イリとオットー。ステージ上が暗くてよく見えなかったんだけど、まるで子供のようにジャンプしながら手を振っている。同い年ながら、かわいいと思ってしまいました(笑)。ドンペリの予選通過の報告以来、直接会って話ししてなかったので、会えて良かった!肝心のステージの方はというと、個人的には「んー?」という感じで、かなりエンタティメント要素が強すぎて、楽しめたんだけど、個人的には「ニジンスキー」の方が好きです(もちろんダンサー達は凄かった!僕が言いたいのはステージの構成がちょっと好みではなかったという意味)。オーケストラの演奏は今迄聞いた中で一番うまかったんだけど・・・、楽曲の方がちと古く感じてしまって(80年代にロシアの作曲家によって書かれた
ものみたいです)、系統的にはシェーベルクやウェーベルン、時よりストラヴィンスキー、はたまたブーレーズ的という聞こえ方で、友人のドイツ人は「全然踊りに合ってないし、うるさい!」と怒っていました。確かに12音技法的な作品というは限界があるし、個人的な意見ではあれらの技法は結局、ハーモニーの束縛からは逸脱できなかった気がします。でも、不協和音を聞いて不安になる我々の耳と刷り込みにも問題があると思います。ちょっと聞き方を変えるだけで、今迄変だと思っていた音が違和感なく入ってきたり、今迄慣れ親しんでいた音に疑問を抱いたりするわけですが、作曲家はそういった音の現象や現在の傾向、聴衆のニーズをふまえながら、自分でも納得できる音楽を作っていく事も必要ではないかと・・・、って話しが固すぎます!とにかく、難しいんですよね、舞台に合う音楽を作るっていうのは。まずは、イリが復活という事でメデタイ! !!というお話でした!!
畑中正人
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