ミラノサローネ07について(その4)

htnkmst2007-04-04

今回の曲作りは、それは膨大なものでした。
まず工場の機械の音や手作業の音やその他のノイズの選別作業とインタビューした音声の選定を同時にやりながら、どのように曲を構築していくか設計図を書きながら、CDアルバム版と会場インスタレーション用の2種類の作業をしていく。どのノイズをどのようにフォーカスすると、どのような別の音像やストーリーが現れるのか。もしくは別の生命を持ち、当初の文脈から離れていくのか。そのままでもいいのか、もっと加工すればよいのか、などなど。。。そんな事を考えているうちにあっという間に納期をむかえていました(笑)。特に会場用の音楽は、別々のスピーカーから流すため、どのような組み合わせで音が鳴っているのかを、ある程度計算しなければいけない。こんなに大変で楽しい仕事はめったにない。何より作曲家として幸せな日々でした。
そんな流れで出来上がったCDアルバムと展示用音楽。現地で配布するCDのデザインもとても素晴らしいものです(日本で入手できないのが残念ですが)。あとはミラノ現地でどのように展示用音楽が鳴ってくれるのか。今回は目に見えない展示として、06年福岡の「デザイニング展」、中目黒のギャラリー「燕子花別館」でご一緒したヤマハさんの音環境プロジェクトチームの皆さんに全面協力を頂いています。この音響技術についてはとても面白い内容ばかりなので、また追ってお知らせしたいと思います。
畑中正人
http://www.hatanakamasato.net/