沼津コンベンションセンターの音演出

先月2/28に沼津コンベンションセンター「プラザ ヴェルデ(ふじのくに千本末フォーラム)」の展示場イベント施設(2013年6月に先行オープン)と会議場施設(こちらは2014年7月オープン)、それぞれのエントランスギャラリーでの音演出コンテンツの納品を終えました。
会議場施設は7月の開業となりますので、まだ工事の最中でしたが機材を持ち込み、ヘルメットを装着しての作業となりました。建築設計は長谷川逸子さん。ご一緒するのは今回で二度目になります。そして音響システムはYAMAHAさんです。
かつて初めて長谷川逸子さんとお会いしたとき、建築は建てて終りではなく、その後地域の人々がどのようにその建物と共に歩み、育み、そして運営していくか、そこまでケアする必要性を訴えておられたお姿がとても印象的でした。自分の仕事もそうありたいと常々思ってはいますが、なかなかそう簡単には行かずいつも自問自答と自省を繰り返しています。

展示場のコンテンツは「Air Flow」、会議場施設には「Air Sonic」とそれぞれ名付けました。
私が空間のための音を作るときに心がけている3つの要素「1. Signal(聞かせる音)」「2. Noise (聞かせない音)」「3. Information(情報を持った音)」があるのですが、今回はSignalとNoiseの中間に位置するような音になっています。当初の目標としては気配だけがある音。たとえ突発的な音と混ざったとしても衝突しない音、という事を目指しました。今後は特に音量の問題に注視しながら、長期的かつ快適にお使い頂けるためのサポートをしたいと思います。また今回はこれらのコンテンツとは別に視覚障害者の方にお手洗いの位置を知らせるサイン音も作成致しました。こちらはYAMAHA製の薄型スピーカー「TLF」を使用しています。このスピーカーは薄くて軽くて曲げられるという特性を持っていますので、可搬性の高い什器などと組み合わせる事で、いつでも必要なときに設置できるようになっています。

常日頃、アートや娯楽としての音楽(音)とは別に、社会に少しでも貢献できる特定の「機能」をもった音楽(音)を作る事を私自身のライフワークのひとつとして取り組んでおりますが、今回こうして「長谷川逸子・建築計画工房」の皆さん、そしてYAMAHAの皆さんと再びご一緒できた事をとても嬉しく思っております。また元YAMAHAで現在は東京工業大学大学院総合理工学研究科連携教授の清水寧さんと学生の皆さんとも現場でご一緒出来た事もまた良い経験になりました。また沼津市の職員の皆様はじめご関係者の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございます。

そして今回は偶然にも感覚鋭いマネージャーが心底美味しいお店を見つけてしまいました。何を食べても感服するしかなく、これでまた再び沼津に訪れる楽しみが増えました。

こちら「プラザ ヴェルデ(ふじのくに千本末フォーラム)」のサイトです。
http://www.plazaverde.jp/

そしてこちらは「長谷川逸子・建築計画工房」のサイトです。
http://www.ihasegawa.com/ja/

ということで、私はすでに次の案件に向けてスタートしていまして、4月終りまで怒濤の日々になります。
季節も大きな変わり目です、皆様もどうぞご自愛下さい。

畑中正人
http://www.hatanakamasato.net/